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はじめに
花札には様々な遊び方が存在します。
六百間はめくり系と呼ばれ、こいこいや花合わせに遊び方が近く、簡単に覚えられる遊びです。
今回もルールの説明とともにルールを活かして効率よく勝てるようになる戦略を合わせて説明していきます。
花札は地域性の強い遊びなので、今回紹介する六百間にもかなりのローカルルールがあります。
有名なものを少し紹介しますが、紹介していないルールももちろん存在します。
今回はWikipediaのルール・名称で解説をしていますので、筆者刀鷹が普段使用しているルールの解釈が混ざる場合がありますがご了承ください。 対戦の前にはルールや役の擦り合わせをしっかりと行なってください。
こいこいや花合わせについてはこちらで解説しています。
【花札】こいこいの遊び方と初心者でも効率よく勝てる戦略 【花札】花合わせの遊び方と初心者でも効率よく勝てる戦略花札(六百間)のルール
黄色の枠が光札(50点) ピンクの枠がタネ札(10点) 紫の枠が短冊札(10点) 黒いままがカス札(0点) 「こいこい」を基準に考えると、梅に鶯がタネ札から10点札に、桐の色違いがカス札からタネ札になっています。
2人プレイが一般的ですが3人プレイも可能です。
今回は一般的な2人ルールで解説していきます(3人の場合は反時計回りで進行していきます。)
以下はゲームの流れです。ここは他のルールとほとんど同じです。
準備
まず親を決めます。今回も親の決め方に指定はなさそうですのでお互いに札をめくり月の早い人が親となる決め方をここではおすすめしておきます。 子(3人の場合は親の左の人)が山札を混ぜて親に渡します。 親は手札8枚・場に8枚くばります。(3人だと手7枚・場6枚) 配り方もこいこいのようで、子・親の手札⇨場札✖︎2回です。 初めに4枚、次に残りの4(3)枚を配ります。
準備が終わったらデュエルスタートです。
各手番のプレーヤーは ①手札から札を1枚選んで場に置く⇨置いた札が場の札とペアになるなら得点として獲得する。 ②山札を捲って場に置く⇨置いた札が場の札とペアになるなら得点として獲得する。 この2つを順番に行い、ペアを集めて高得点を狙っていきます。
全てのプレイヤーが手札を使い切ったら1ラウンド終了です。
札と役の得点を計算しての合計点を得られます。
600点達成者が現れたらその時点で得点の一番高いプレイヤーの勝利です。
札の点数
光札50点(松に鶴・桜に幕・芒に月・桐に鳳凰・柳に小野道風に梅に鶯を足した6枚) タネ札10点(上記光札以外に動物・装飾が書かれた札に桐の色違いを足した9枚) 短冊札10点(短冊が書かれた10枚) カス札0点(23枚)
終了時に合計点が30点以下(桐・柳の札の点数は除く)の場合、流しを選ぶことが出来ます。流し(フケる)とはラウンドを仕切りなおしできるアクションです。
※相手に四光が成立している場合は流すが選択できずに負けます。残念。
今回もランキング形式で紹介していきます。(ランキングは、成立のしやすさ・点数の高さ・重複の狙いやすさを、総合的に判断し刀鷹の偏見によって決められています。)
「こいこい」・「花合わせ」よりも「猪鹿蝶」・「のみ」がかなり強化されています。
一番有名な役の「猪鹿蝶」がちゃんと強いという意味では「六百間」は最も花札らしい遊び方と言えますね。
特別枠 シマ(50点)・雨島(200点)
松・梅・桜・藤・芒・紅葉・桐・柳の同じ月の札4枚を集めると成立します。 柳だけ雨島となり200点、他の月は50点です。 シマ(雨島除く)成立時はカス札1枚を50点にできます。実質100点の役ですね。 ペア2回なので手札に同じ月の札2枚あれば狙えます。 運良く山をめくった時に成立したペアと同じ月の札が手札にあった場合はぜひ成立させましょう! ただし、シマが成立しない月もあるので注意が必要です。
8位 草短(50点)
別名「くさ」 藤・菖蒲・萩の短冊札3枚で成立します。 50点と他の短冊役よりも低いのはくさが生えますwww 一応、藤で「シマ」が狙えます。 成立してもしなくても「七短」を狙いたいですね。
7位 青短(100点)
牡丹・菊・紅葉の短冊札3枚で成立します。 牡丹・紅葉は蝶と鹿がいるのでペアで取れれば「猪鹿蝶」との重複が狙えます。 菊には盃があるのでペアで取れれば「のみ」系統との重複も狙えます。 一応、紅葉で「シマ」が狙えます。 決して弱くはないですが他の役が強すぎるためこの順位になってしまいました。
6位 小三(100点)
こざんと読みます。 別名「赤短」 松・梅・桜の短冊札3枚で成立します。 松・梅・桜の3枚とも「大三」に使用する月なのでペアで取れれば取れるだけ重複が狙いやすくなりますが、3ペアを決められた札で取るのは逆に難しくもあります。 月の札を2回に分けて取り、重複を狙う場合は確実に「シマ」が完成するため、欲張っている時には点数が伸びやすいです。 「小三」決して弱くはないですが他の役が強すぎるため、やはりこの順位になってしまいました。
5位 大三(150点)
おおざんと読みます。別名「表菅原」 松に鶴・梅に鶯・桜に幕の3枚で成立します。 光札3枚で成立するので実質300点になります。 役の説明は、使用する月が同じ「小三」の説明をご覧ください。
4位 猪鹿蝶(300点)
萩に猪・紅葉に鹿・牡丹に蝶の3枚で成立します。 花札で一番有名な役がついにランクインしてしまいましたが、他のルールと違いかなり強くなっています。 六百間ではタネ札も短冊札も10点かつ、短冊札には「七短」があるため、「猪鹿蝶」と菊に盃以外は確実に短冊札よりも優先度が落ちます。 3枚揃えないと意味がないため、他の役同様妨害に弱いですが、上記の理由で妨害から得点に繋げにくい役であるため、若干妨害が甘くなった隙を狙いやすい役です。 牡丹・紅葉の短札をペアで取れれば「青短」との重複が狙えます。 一応、紅葉で「シマ」の重複が狙えます。 「猪鹿蝶」単体で330点と非常に高い点数のため、2ラウンドで決着をつけることが狙えます。 さらに役の重複や札の点数次第では1ラウンドでの決着も可能になっています。 例えば 猪鹿蝶330点 青短460点 シマ50点+光札扱いの50点 光札1枚(またはタネ・短冊札4枚以上) で600点が達成できます。
3位 花見で一杯(100点)・のみ(300点)・月見で一杯(100点)
桜に幕・菊に盃で「花見で一杯」、芒に月・菊に盃で「月見で一杯」、3枚で「のみ」が成立します。 2枚で役の100点+札の60点が獲得できるため、かなり効率が良く、強い役です。 役が揃ったらラウンド終了。ではないので即攻性は意味を成しませんが、枚数が少ないというのはそれだけで成立難易度が低くなり強いです。 「花見で一杯」・「月見で一杯」成立から3枚揃えて「のみ」を成立させた時の点数の上昇量は3倍と花札のルールの中でもトップクラスのため、是非とも「のみ」への昇格を狙いたいところです。 菊に盃と光札の優先度は、状況や好みによって左右されますが、そこまで近い優先度なのは「のみ」系統の役があるからで間違いがないでしょう。 桜に幕は「大三(表菅原)」、芒に月は「松桐坊主(三光)」に使用するため、1枚の被りですが重複が狙えます。 「のみ」と「表菅原」(松桐坊主)の重複時には役450点+札210点で600点を超え1ラウンドで勝利できます。 一応、桜、芒で「シマ」の重複が狙えます。
2位 七短(600点)
松・梅・桜・藤・菖蒲・牡丹・萩・菊・紅葉・柳の短冊10枚の内7枚以上で成立します。 ※六百間では柳の札も含みます。また、7枚丁度とする場合もあります。 成立した時点でそのラウンドに勝利できます。 若干難易度が高いですが、「小三」・「青短」・「草短」から発展させたり、積極的に狙っていくことで成立できる場合もあります。 狙う際は光札をペアで取れないと危険です。 点数が低くなりがちな上、相手に光札が集まってしまい、札での高得点や「表菅原」・「松桐坊主」などを相手に揃えられて負けてしまいます。 「四光」とあわせて「イチコロ」や「バッサリ」と呼び、成立させると無条件で勝者とすることが多いです。 成立難易度は高い反面、確実に妨害するには4枚の短冊札を取る必要があるため、妨害への耐性が高いです。 妨害をしながら狙っていく役になりますが、成立時のリターンが大きいためこの順位となっています。
1位 松桐坊主(150点)・四光(600点)
松桐坊主は別名「三光」 松に鶴・芒に月・桐に鳳凰の3枚で「松桐坊主」、桜に幕を加えた4枚で「四光」が成立します。 2役あわせての評価でこの順位です。 「松桐坊主」 別名「三光」 この役だけだと4位の「猪鹿蝶」と同じくらいの評価になります。 「松桐坊主」150点+札150点の300点と高い点数を獲得できる役です。 追加で桜に幕を獲得すれば勝利が確定するので相手にかなりのプレッシャーがかけられます。 「四光」 ※梅に鶯・柳に小野道風を獲得していると無効とする場合もあります。 4枚で成立する上に、優先的に狙う光札で成立するので妨害されなければ難易度は低めです。 実際は相手も光札を狙うため高確率で妨害されますが、成立に失敗しても1枚あたり50点になるのでリスクが少ない訳でもあります。 「七短」とあわせて「イチコロ」や「バッサリ」と呼び、成立時に無条件で勝者とすることが多いです。
六百間の戦略
役の点数は強力です。
勝利に必要な600点は札の点数だけで狙った場合、早くても2〜3ラウンド、普通なら3〜5ラウンドかかってしまいます。
役で点数を稼ぐことで、1〜3ラウンドで600点に到達することが出来ます。
とりあえず札を取っておけば、後で役に繋がったり、相手の役の妨害になる事もあります。
後述する「確実に取れる札」が強い状態で相手にできないようには意識する必要がありますが、六百間では使わない札が8枚あるので「確実に取れる札」の枚数は少なくなりやすいです。
小さく点数を稼いでも「六百間」には簡単に逆転できる役があります。
勝ってても負けてても相手に大きな役が出来てしまうとその時点で負けてしまうことがあります。
2人プレイでは妨害の質が上がるので、確実に負けない状況を作っていくことは(優勢時には特に)重要な戦術になります。
例えば
相手が松と桜の短を取っていて場に梅に鶯と梅の短冊札があった場合、
①自分が梅に鶯を取る 自分+50点 相手+110点(小三100点+短冊10点)
②相手が梅に鶯を取る 自分+10点 相手+50点(梅に鶯)
となり、点数の低い短冊札を取ったほうが20点分得をします。
(しかし、上記の状況で考えずに短冊札を取った場合、相手に「大三」のチャンスができてしまうためもう一度妨害をしないといけなくなります。上記の場合は相手に「大三」が成立しないこと絵を確認してからになります。)
相手の強い役を妨害するほど有利になります。
逆に「シマ」や「草短」など点数の低い役を妨害し続けるよりは自分の役を進めたほうが強くなります。
4位以上の役は妨害、それ以下の役は自分の役が進まない時だけ妨害する。
を意識すると効率が良いはずです。
「六百間」では光札がかなり強くなっています。
基本的には光札を最優先に取りましょう。
例外は、確実に取れる札であるか相手に取られても問題ない、他に狙っている役がある場合です。
残枚数を意識すると、今取る必要のない確実に取れる札が見えてきます。
確実に取れる札
花札には同じ月の札が4枚ずつ存在します。基本的なルールではその月で1組ペアができると残った2枚の札がペアになることが確定します。(山札を使い切らない遊び方では成立しない場合もあります)
つまり、すでにペアができた月の札が場にあり、自分がその札を持っているとその札は好きな時に、確実に、自分が取ることができます。
花合わせでは全ての札を使い切るので、ペアができている月の札を手に持っている場合、場に出るまで待てばほぼ確実に取れます。これがほぼ確実に取れる札です。
セットで取れるなら優先して取りたい札
桜に幕と短>松に鶴と短=梅に鶯と短>酒に盃と短>紅葉に鹿と短≧牡丹に蝶と短>萩に猪と短
手札にカスがあり、場にあれば優先的に取りたい札
酒に盃>=桜に幕>=芒に月松に鶴>桐に鳳凰
初期状態での優先度なので、戦況や手札にある札の月によって優先度が変わります。
例えば、相手が取ると役が成立する札、狙い役に絡む札の優先度は上がります。
取れば確実に勝てる札>相手が取ると大きな役になる札>自分の役が成立する札>自分の役に絡む札>相手の役に絡む札>どちらも役が狙える札>点数の高い札
で判断してください。
覚え方としては
①勝利>②相手の得>③自分の得>④その他
です。
「六百間」には「のみ」があるので、芒に月・桜に幕がかなり強く、大三・小三(赤短)をまとめて狙える桜・松・梅も強くなっている。
六百間のローカルルール
・700点とったら勝ち 四光と七短は700点になりこちらも無条件勝利
・菊に盃・紅葉に鹿を含む場合もあり
・四光は、四光になるもの以外の光札を(五光以上)取った場合は四光にならない、七短は、短冊札を(7枚丁度ではなく)8枚以上取った場合は七短にならない というルールを採用することもある。
・月見・花見・鉄砲は、それを取ったものの札に柳が含まれていると「雨流れ」といって無効になる、というルールを採用することもある。そのとき松に鶴があると復活する、とすることもある。
今回使用した花札
刀剣乱舞の花あそびを使用しています。
まとめ
最後までご覧いただきありがとうございます。
結論として、いかに自分の戦略スタイルを守って進められるかが鍵になってきます。
妨害をし続けてチャンスに一発逆移転を狙う・少しでも多く点数を取って相手にチャンスが来る前にかつ・少しでもアドバンテージの取れる選択をしていく、など様々ありますが、それも戦略ごとの特徴や強みがわかってこそです。
この記事で少しでもお手軽に強くなっていただければ幸いです。